2021/08/07
絵柄が変わって見える!特大くじらレンチキュラー

UVインクジェットプリンターで作成した特大レンチキュラー(実用新案登録済み)。弊社1階エントランスに展示中です!

今回のモチーフは約6000種と言われる哺乳類の中で最大の動物シロナガスクジラです。大海を悠然と泳ぐシロナガスクジラは母と子の絆も強く、大洋印刷の社員の絆の強さも連想してもらいたいというコンセプトから今回の作品が生まれました。

『3D』『モーション』『チェンジング』といった3つの技法を組み合わせ、3m×1.35mサイズを2枚つなぎ合わせた特大アクリルに印刷することで、海洋生物たちが優雅に泳ぐ様子やスケールの大きさを表現した作品です。

レンチキュラーレンズを部分的に除いて作成していることがこの制作の特徴で、クジラのシッポの箇所は裏面から印刷することでくっきりとクリアな見え方となり、左右の岩は前面からホワイトインクを引いたあとに印刷することで、奥行のある遠近感を持たせた表現となっています。

そもそもレンチキュラーとは?

レンチキュラーは、人間が立体を感じる視差(右目と左目で見える像の差異)を利用しています。数枚の画像をソフトウェアを使用して組み合わせ、レンズのピッチと合うように画像を切り出し、ラインレンズを通じて左目には左目用の絵を右目には右目用の絵を見せることによって視覚効果を利用し、立体的に見せる特殊印刷技術です。

見る角度によって絵が変わり、アニメーションのように動いて見える効果が表現できます。

こちらの作品の作成に携わった社員にインタビューをしてみました。

Q.今回の作品のこだわりは何ですか?

A. 弊社は創業90周年を迎えました。その間、様々な印刷物に関わらさせて頂いていますが、更なるクオリティと生産性の向上、および新たな付加価値の創出を図るためにUVインクジェットプリンターJET I MIRAを導入。今回このJET I MIRAでしかできないB倍サイズを超える超大型ポスターをアクリルで作成することにチャレンジしました。

深く長い歴史のある大洋印刷をこの大型パネルから感じ取ってもらいたいという思いでデザイン・作成をしています。
大きなスペースに負けず、見栄えのするビジュアル、完成したときに自然な流れや、躍動感を感じてもらえるようにこだわりました。

Q.工夫した点・大変だった点を教えてください。

A.まず、第一段階、ビジュアルを何にするかというところが大変でした。
大洋印刷と全く関係ないものか、関連性を持たせ、ビジュアルからメッセージ的な物が発信できるものにするか。と考えたとき、やはり後者の案に落ち着きました。
となると、この巨大なスペースに負けず、大洋印刷と関係するものを提案しなければならない。それを表現できるビジュアルを考え出すことが大変でした。

校正を出すたびに思った通りの表現にならなかったので、色や配置、背景のテクスチャの重ね方を何度も調整したことも工夫したところの一つです。

Q.完成までに試作を沢山作成したとのことですが、どのようなテストを行っていたのですか?

A.テストは全部でA4サイズ3回、B全サイズ1回、3/6判サイズ1回を1か月半程かけて行いました。実際に印刷する3m×1.35m×2枚のサイズにした際に『3D』『モーション』『チェンジング』を自然に見せられるようにデータやレンズの線数・色を調整といった内容のテストになります。
深海をイメージしていたのですが、色が沈みすぎないようにするのも試行錯誤しました。

大洋印刷のレンチキュラーの特徴

レンチキュラーレンズ自体を直接印刷しているのが特徴になります。
通常は市販のレンチキュラーレンズを使用しますが、市販のものは製造ロットによりレンズのピッチ幅が異なっている場合があり、ピッチ幅に合わせたデータの作成や確認に時間が取られます。

弊社では、決められたピッチ幅でレンチキュラーレンズの印刷から行うため、データ作成や確認が容易になり、絵柄のズレがない、より自然で綺麗な見え方を再現することができます。
また、レンチキュラーレンズを部分的に抜いて印刷することでロゴや文字の視認性を上げたり、デザインとして効果的に使うことができます。(実用新案登録済み)

市販のレンチキュラーレンズ

通常は、レンズが一定に敷き詰められた状態となります。

弊社印刷のレンチキュラーレンズ

あらかじめ、任意の図柄を抜いた形でレンズ印刷をすることが可能です。(実用新案)

弊社にお越しいただく機会がございましたら、3D効果の見て楽しい印刷をぜひ体験してください!
社員共々お待ちしております。

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